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ランドセル屋さんの革製品ブログ

鹿革製品をつくる工房へ潜入!
疑似工房見学をしてみよう!

2019年3月18日

長財布

皆様こんにちは、鞄工房山本の晴之です。

昨日も絶賛(手前味噌)のランドセル&革製品展示会でした。来週は祝日にも開催しますよ!
21日(木)春分の日に奈良県橿原市の「橿原神宮会館」で行います。
23、24日の土日には奈良県明日香村の「万葉文化館」、もうひとつ大阪梅田の「TKP ガーデンシティ大阪梅田」で行います。

ランドセル&革製品展示会について、詳しくはコチラ

万葉文化館のみ予約不要、橿原神宮会館と梅田は予約必要です。ご予約のお忘れなきよう、皆様のお越しお待ちしております!

さて、今回のブログでは鞄工房山本が扱う鹿革製品たちをつくっている工房へ潜入したいと思います! 日や時間によってつくっているアイテム、パーツが異なりますが、今回の取材時にはこんなものをつくっていました。

扱い方が難しい鹿革

その前に、こちらの写真をご覧ください。

切っております。ただ鹿革をハサミで切っているだけの写真なのですが、これが実は鹿革の扱いにくさを如実に表した写真なのです。

「ハサミで切る」という作業は牛革などの世間で一般的に扱われる素材に比べると、鹿革を加工する際に非常に多く行われます。
なぜか。

鹿革、伸び縮みが激しいのです。もちろんその特徴は「伸縮性に富む」という長所でもあります。
しかし、加工する側にとってはなかなかに厄介。

伸び縮みしない生地に鹿革を貼り合わせて大きさを整えることが多いのですが、貼り合わせた時に少し足りなかったりはみ出たりするのです。
足りない場合は引っ張って伸ばして生地の大きさに合わせます。はみ出た場合はハサミで形を整えます。そしてはみ出る場合がすごく多い。
大きさを合わせてタガネで裁断しているはずなのに……

ですので、鹿革製品をつくるときにハサミは必要不可欠なのです。切りすぎてももちろんおかしな形になるので超集中です。

そんな隠れた努力がたくさん必要な鹿革製品、つくっている様子を覗いてみましょう!

束入れの笹マチ

笹マチ」というパーツをご存知ですか?
名刺入れや長財布のメイン収納スペースに幅をもたせるためにある小さなパーツです。今回の取材時はちょうど束入れ用の笹マチをつくっていました。

糊付けされた笹マチがズラリ。表裏に別れたこれらを貼り合わせていきます。「小さなパーツで簡単そう!」に見えますが、これもなかなか難しいんですよ。

表革のちょうど中央にくるように裏革を貼り合わせます。ここで少しでもズレると、できあがりが不細工になってしまいます。工房の職人さんは慣れた手つきで進めていました。

ヘリ返しのための糊を付けます。付けすぎると完成したときに糊の跡が見えてしまう。逆に付けすぎないと十分にくっつかない。小さいパーツだからこそ繊細なお仕事なのです。

そしてヘリ返し。
ヘリがボコボコでかっこ悪くならないように、指に全神経を集中します。机の端で行ったほうがやりやすいのです。
ヘリ返しもできたしこれで完成! に思えますが……

一番大切で細やかな難しい作業です。
ヘリの角から革の繊維が表に見えないように整えます。これの前には前述した「ハサミで余分を切る」作業も行っています。

そして完成!
小さなパーツですが、数えてみると9つもの工程を経てできあがっていました。束入れ一つができるまでには100以上の工程が必要です。大変だ!

「大変な細かい作業なのはわかったけど、もっと革製品っぽい写真が見たい!」という方のために、一枚だけ撮影できました!
どうぞ! ミシンの写真です!

こちら何を隠そう、間もなく発売の小銭入れをまとめるミシン掛けです。着々と出来上がっていますよ! 乞うご期待!

鞄工房山本 晴之

筆者プロフィール

名前:晴之

奈良県出身 同志社大学卒業
卒業後は高校教師を5年間勤める
2018年4月に鞄工房山本入社
趣味はウィンドサーフィン、スノーボード
好きな科目は数学