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ランドセル屋さんの革製品ブログ

はたらく人の背負う鞄=ビジネスリュック、
今昔物語

2019年07月11日

リュックサック

皆様こんにちは。

鞄工房山本の店舗で発売中のビジネスバッグ。一番人気はリュックです。
紹介文ではつい、「最近ますますお仕事にリュックをつかうビジネスパーソンが多くなっています」と書いてしまうものの、果たして本当にそうでしょうか。

おっと。誤解を招きそうです。私がここで疑問を投げかけたのは、「多くなっています」に対してではなく、「最近」に対してです。
今日は、背負う鞄が昔から仕事に使われてきた例を探してみましょう。もちろん、入れるものの変化、進化によって変化した面が大きいと思われます。
そうすると、「おしゃれ」とか関係ない世界に入ってしまう可能性大ですが。

背負子(しょいご)

「いきなり鞄とちゃうやーん。」
えーと、確かに袋ではないのですが、ものを運ぶので……

「しかも、救助とかで今も見るから、そんなに古いものなん?」
古いのです。あなたも必ずご存知のこの方も毎日背負っておられます!

二宮さん、最近は薪や柴の代わりにジェットパックを背負わされたり、歩きスマホ禁止や若年層労働禁止の流れで、腰をおろして荷物も地べたに置いて本を読んでいるパターンもあったりするらしいですね。
もちろん私が小学生だった頃は昭和真っ盛り、立像でした。私も像を見ると、「立ったまま本読むんやったら荷物おろしたらええのに」、位のことは思っていましたが、あれは歩いているのでした。脚をちゃんと見れば一目瞭然。なので、正確に言うと立像ならぬ歩像?荷物を下ろせないのも道理。運ばないと仕事にならないのです。
お約束どおり、私の小学校にも怪談があり、夜になると二宮金次郎像がおろしている足と上げている足を替える、といわれていました。
そういうのって、世界共通なのですね。この方もそういう冗談のネタにされています。

「夜誰も見ていない時に、左右の足を入れ替える」
パリのバスティーユ広場にある天使の像です。同じ冗談(怪談)のネタにされるにしても、こちらは金ピカで筋肉隆々、脚も長いし男前、いきいきとしておられます。頭には星、背中には羽。引きちぎった鎖と聖火を持って、自由!

それに比べると……

がんばれー。映画にもなってるぞー。

あれ、何の話でしたっけ。

背負籠(せおいかご)

収穫物を入れるかご、と言っても背負うほどではなく小さいものもあります。
そういえば、この方はウエストポーチ派ですね。
(二宮さんよりちょっと楽しそうに描いて見ました.)

ここ数年実写版でCMになっているのを見てもちゃんと身につけておられます。今見ると彼の服装なかなかおしゃれですね。

もとい、魚を捕る人が収穫を背負籠に入れる。
あるいは山に入って収穫物をポンポンと背中のかごに入れる。あるいは落ち葉を火ばさみで拾って入れる。重くなっても両肩で背負っていれば比較的ラク。両手があいていることは平坦でない道では重要。

日常の仕事でつかうものはこんな感じです。収納力に優れているというよりも、大容量といったほうがふさわしい。
旅に使われていた背負籠の場合は蓋がついていました。
松尾芭蕉の弟子の曽良が奥の細道で使った背負籠が菩提寺(三重県)に残っており、それには蓋も編まれています。本体の編みの細かさも、背負紐(これも編まれている)の思いがけない華奢さも美しく、機会があったら一度見に行ってみたい位です。画像をお見せできなくて申し訳ありません。

昔の「リュック」はこういったところでしょうか。大きい風呂敷に反物をいっぱい詰めて丁稚さんが運んでいるようなのはまた背負い方が紐一本になってきて違う気がしますし。

では今後、近い未来はどんな「背負う鞄」がはたらく人の役に立つのでしょうか。ちょっと見てみましょう。

ジェットパック

二宮さんが最近背負わされているものです。もはや完全に話が脱線し、鞄ではなく「背負うもの」となっていますが(汗)。

※By fir0002 flagstaffotos [at] gmail.com Canon 20D + Tamron 28-75mm f/2.8 [GFDL 1.2 (http://www.gnu.org/licenses/old-licenses/fdl-1.2.html)]

Wikipedia の “Jetpack” に掲載されている画像です。2005年にメルボルンの展示会で撮影されたもので、映画でも特撮でもありません。

意外と、こちらの画像のほうが想像しやすい。

Wikipedia, Wikimedia 掲載の画像。
画像クレジット:NASA [Public domain]

さらには、「バックパック・ヘリコプター」なるものも。

By Anthony Appleyard [Public domain]
Wikipedia の Backpack helicopter の記事からお借りしました。

こういうイメージや、ジオラマとかミニチュアのひととか、好きです。彼らの腰からぶら下げている棒はなんでしょう?
悲しいことに、こういった装置はしばしば軍事目的で開発されるのですが、今それは考えないことにして、頭皮に負担のかからないタケコプターだと思うことにしましょう。

ここまで来ると、「はたらく人のツールを入れる背負うバッグ」ではなく「背負っている物自体がツール」。バックパックヘリコプターに荷物も入れられるのかも知りたいです。ぜひ平和にお弁当と水筒とか入っていてほしい。

鞄工房山本のリュックも、また進化していくのでしょうか。

鞄工房山本 二見

筆者プロフィール

名前:二見

大阪府出身 京都大学卒業 ヨーロッパで靴の仕事を12年間経験したのち帰国
バッグメーカーなどを経て2018年8月より現職
好きな文筆家は森鴎外、Albert Camus
好きなミュージシャンは Jimi Hendrix、Cream