BLOG
鞄工房山本の革製品ブログ
ランドセルでも
鹿革製品でも夢こうろ染
皆様こんにちは、鞄工房山本の晴之です。
前々回の記事では!「オールコードバン 夢こうろ染」のランドセルの魅力を皆様にお伝えしました! ですが魅力が詰まりに詰まったランドセルなので記事1本では文字数が足りず……
いよいよ今回はその続きなのです! ということで前々回の記事をまだお読みでない方は、ぜひご覧になってからこの先を読み進めてください!
上の記事では主に最高級の素材「コードバン」の紹介をさせていただいたんですね。いかにコードバンが素晴らしい皮革か、まだまだ語り尽くせてはいないのが正直なところですが、それはまたの機会にして。
今回は最高位の染色「夢こうろ染(ゆめこうろぞめ)」とはなんぞや、というお話しです!

「黄櫨染」から「夢こうろ染」へ
幻の染「黄櫨染」
夢こうろ染の説明をするにはまず、「黄櫨染(こうろぜん)」について知っていただかなければなりません。
平安時代初期から現代に至るまで、天皇だけが着用できる第一礼装「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」という装束があります。この染色については正確な染色法は一般的に知られておらず、「幻の染」と呼ばれていました。
元は黄褐色や赤褐色の染なのですが、太陽光を通すと真っ赤に輝くのです。その神秘的な染は代々天皇以外には着られない禁色でした。
奥田祐斎氏と夢こうろ染
そんな黄櫨染を現代風にアレンジし、復活させた染色作家がいます。京都嵐山に染工房を構える奥田祐斎氏。

氏は黄櫨染を研究し、独自のアレンジを加えて成立させることに成功しました。着物やスカーフ、タペストリーなどが主な作品です。

本舎にも1枚飾られているタペストリー。これを太陽に似た明かりで後ろから照らすと……

こうなります! そして祐斎氏と鞄工房山本がタッグを組み、この迫力ある美しい染をランドセルに施したのです。
ランドセルに夢こうろ染を
最高位の染だからこそ最高級の革に。祐斎氏も革に染色をするのは初の試みだったようですが、コードバンは鮮やかな深紫色に染められました。

そんな素敵なランドセル「オールコードバン 夢こうろ染」。黒はガクと前締めベルトに、ワインはお花のモチーフと前締めベルトに夢こうろ染で染色された革を使っています。
太陽光に似た明かりで照らすと……

赤みを帯びたワインに! 神秘的!
そしてそのワイン色が大阪展示会場で完売しました!
「紹介すんの遅いわ!」というお声が聞こえてきそうですが、安心してください。黒はまだあります! ワインもサンプルや前年度モデルでご用意できる可能性があるかも……
ちなみに夢こうろ染は施されていませんが、カブセと大マチにコードバンを使った「オールコードバン」のランドセルも黒は販売中! 赤はおかげ様で完売しました。こちらもサンプル、前年度モデルなら……詳しくは奈良本店までお問い合わせください!

(左から)
オールコードバン 夢こうろ染 | 黒 | 179,000円(税込) |
---|---|---|
オールコードバン | 120,000円(税込) |
実は鹿革製品にも夢こうろ染
ランドセルをすでにお買い上げの方やランドセルが必要ない方にも朗報です! 鹿革製品でも夢こうろ染を施したアイテムがあるのです!

束入れ(夢こうろ染) | 各柄 | 60,000円(税別) |
---|---|---|
名刺入れ(夢こうろ染) | 30,000円(税別) |
束入れと名刺入れで夢こうろ染モデルを展開。染色はすべて手染めのため、同じ柄に見えても少しずつ違う一点物です!
詳しく柄をご覧になりたい方は、過去記事でも取り上げておりました。そちらをご覧ください。
不思議で美しい染色、「夢こうろ染」。高価だからこそそれだけの価値があります。お店でその変化をお見せすることも可能です! 是非一度見にきてみてください!
鞄工房山本 晴之
筆者プロフィール

名前:晴之
奈良県出身 同志社大学卒業
卒業後は高校教師を5年間勤める
2018年4月に鞄工房山本入社
趣味はウィンドサーフィン、スノーボード
好きな科目は数学