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ランドセル屋さんの革製品ブログ

夏限定の紫色を探していたら
緑の美しさを再発見

2019年8月9日

その他

皆様こんにちは。

何度かご紹介したとおり、奈良県下には花を愛でる機会が四季を通じてあります。この本舎と工房のある橿原市に限っても、それは同じです。

鹿革の18色にそれぞれ趣ある名前が付いているせいか、花や自然の色を見ると以前よりそれにふさわしい名前をみつけたくなるような。単に赤、とか紫、ではなくさらに意味を含んだ名前が見つかると嬉しい。

夏になるとこの辺りでとくに有名な、かつ珍しいお花が見られます。 夏と言っても7月後半から8月、年によっては9月いっぱいくらいまでにかけて見られるので、開花期間が長い花のようです。

本薬師寺は、ホテイアオイの名所でもあります

ランドセルブログでご紹介したこともある、ホテイアオイ。
下の画像は、その際に撮影されたものを拝借しました。

鹿革18色に関連付けるなら、薄藤色が一番近い色です。私は実物を見たことがなかったので楽しみにしておりました。会社帰りに寄ってみると、
あれ

写真で見たのと様子が違う。しまった、朝のほうが咲きそろってきれいなのだそうです。

咲いてはいますが、

お花の絨毯と言うよりは葉っぱの絨毯。生命力を感じます。皆様くれぐれも、ホテイアオイ鑑賞は朝方に……。

本薬師寺(もとやくしじ)の四季

この場所は、本薬師寺といいまして、薬師寺が平城京に移される前はここにありました。今風に書くと、「元薬師寺」ってことですか。

平城京の、更に前ってことはー、えーと、「めっちゃ古い」ということです。

歴史に弱いのでこうなると完全にWikipedia様が頼り。
完成は698年頃というのですから、えーと、「やっぱりめっちゃ古い☆」。

星でごまかすなー。

すみませーん。

Photo: “Motoyakushiji-tenple” © Terumasa (Licensed under CC BY-SA 4.0

今は、お寺というよりも遺跡。その周囲の休耕田に、春はレンゲ、夏はホテイアオイ、秋は彼岸花が咲き誇ります。

春は、こうでした。

レンゲの花で、通路も見えなくなっていました。

彼岸花も今から楽しみです。

美しく、たくましいホテイアオイ

ところで、ホテイアオイという「和」一直線な名前にも関わらず、ホテイアオイは明治時代に観賞用・家畜飼料用として海外から持ち込まれたそうです。原産国はブラジル。

Photo: “Eichhornia Crassipes” © Ozhe (Licensed under CC BY-SA 3.0)

Wikipedia様によると、ホテイアオイの描写と名前の由来は:

湖沼や流れの緩やかな川などの水面に浮かんで生育する水草。葉は水面から立ち上がる。葉そのものは丸っぽく、艶がある。変わった特徴は、葉柄が丸く膨らんで浮き袋の役目をしていることで、浮き袋の半ばまでが水の中にある。日本では、この浮き袋のような丸い形の葉柄を布袋(ほてい)の膨らんだ腹に見立てて「ホテイアオイ」と呼ばれるようになった。

なるほど、恰幅のいい神様のほうの布袋さんですか。ということは、細身のギタリストのほうではなかったのですね。

メダカなどの淡水魚を飼う時の浮草としても使われます。そして、蔓は小物や家具を編む素材として使われる(ウォーターヒヤシンス、と呼ばれています)……優秀ですね!と言おうと思ったら、別の側面がありました。

青い悪魔?

驚いたことに、「青い悪魔」というすさまじい呼び名も持っているようです。インドでは、「ベンガルの恐怖」。
背筋も凍る響き。

ちなみに今、「青い悪魔」と検索したらドラえもんが出てきました。なんで?

もとい、なぜそんな物騒な名前がついたのか、というと、繁殖力が強烈だそうな。その結果:

  • 水面を覆ってしまうので、水中プランクトンなどの他の生物に日光や酸素が行き渡らなくなる。
  • 河川や水路では、繁茂の結果流された個体が水門などで堆積、施設の機能を妨げる。
  • 冬は枯死し、腐敗したものが水質の悪化につながる。
  • 河川や水路で繁茂し。船舶の妨げになる。
    • どうやったらそんなに殖えるのか?答えは、クローン成長できるから。

      国際自然保護連合(IUCN)種の保全委員会が作成した 「世界の侵略的外来種ワースト100(100 of the World's Worst Invasive Alien Species)」に選ばれている(!)。インヴェ―シヴ・エイリアン・スピーシーズ、ってめっちゃこわそうやん!

      「愛と憎しみの」?

      一方で、本薬師寺のように区域を限定して、毎年植え付けられ、花が咲き、人々が楽しみにしている、というように人間社会の中でうまく回っているサイクルも存在します。

      本薬師寺では毎年、近隣の橿原市立畝傍北(うねびきた)小学校の2年生達がホテイアオイを手でひとつずつ植え付けているそうです。
      そして、開花まで近隣住民の方が株を増やし、手をいれていることがこちらのページで紹介されています。

      同じものでも、愛されたり、嫌われたりするわけです。

      そして、一つの種が殖えて殖えまくって、他の種が生きにくくなる、なんてきくと、人間がやっていることの縮図に思えしまいます。

      さて、再び緑の絨毯。

      よく見ると蕾らしきものが沢山あります。まだまだ花が見られそうです。

      私の好みでいうと、緑色が好きなのでこれくらいの配分もきれいだと思いますが、いかがでしょう。

      負け惜しみじゃありませんよ!
      でも、もっと花の分量が多いほうがいい、という方はぜひ朝早めに足をお運び下さい。

筆者プロフィール

名前:二見

大阪府出身 京都大学卒業 ヨーロッパで靴の仕事を12年間経験したのち帰国
バッグメーカーなどを経て2018年8月より現職
好きな文筆家は森鴎外、Albert Camus
好きなミュージシャンは Jimi Hendrix、Cream