BLOG

ランドセル屋さんの革製品ブログ

まあるい、やわらかい、ちいさい、
かわいい鹿革コインポーチ。Web サイトでも発売中

2019年06月22日

小銭入れ

ある夕暮れのことです。

束入れくんと小銭入れたち(+謎の女性)の出会い

〈焦がれ色×紺藍・束入れ(スリムタイプ/バイカラー 29,000円/税別)〉君は森の中を散歩していました。最近彼は元気がありません。

「なんでやろう。僕にはなにか足りひんもんがある気ぃがするわ。この空虚な感じ。いや、満たされへん思いは、なんやろう」
久々に天気の良い日で、木漏れ日が射す森の中を歩いているのに、気持ちは晴れないようです。

沼に差し掛かったときです。

ザバーン
キラキラキラッ

という音に驚いてそちらに目を向けた〈焦がれ色×紺藍・束入れ(スリムタイプ/バイカラー 29,000円/税別)〉君の眼の前に、腰まである長い漆黒の髪をした女性が沼の中から現れました。
女性「あなたが落としたんは、このL字ファスナー小銭入れ?それとも、こちらのコインポーチ?」
束入れ君「え、僕、なんにも落としてないです」

鹿革小物は皆正直なようです。

女性「……まあそれは置いといて」
束入れ君「えっ」
女性「ゆうたら、あんたがどっちが好きか、って話やし」

押しの強い口調の女性に、〈焦がれ色×紺藍・束入れ(スリムタイプ/バイカラー 29,000円/税別)〉君は完全に主導権を握られています。

束入れ君「そんなん、急にどっち、言われても……何が違うんですか」
女性「コインポーチは発売中で、L字ファスナーは未発売やねん」
束入れ君「えっ」
女性「冗談やん!今のところは、ホンマやけど!せやけど、L字ファスナーの小銭入れも近々発売になるから、冗~談!フフッ。でもそうやんね、違いを説明したげるから、どっちがいいかいいなさいよ」
束入れ君「お願いします」

束入れくんは素直すぎて、女性の図々しい態度にもかかわらず彼女の言うことを聞き入れてしまいます。

女性「このL字ファスナーのタイプは、その名の通りLの字にファスナーが付いてるからガバ-ッと開くねん。ほんで、中は2つに分かれてるねんけど、それぞれに幅広のマチが付いてるから容量もおっきいし、中身が見やすくなってるんがポイントやね」

束入れ君「はあ」
女性「はあ、って、あんた、ちゃんときいてんのん!?」
束入れ君「すみません」
女性「もう。ついでにゆうとくと、こっちには裏面の平ポケットもあるから、もし『おっきい財布持つんイヤや』、ってゆう人がいてはったらこの平ポケットにカードをいれてもろて、
中の二層のうち片方に小銭、もう片方にお札を折って入れたらこれ一個で『ミニ財布』としても使えるねん。便利やわー」

束入れ君「はあ、あ、いえ、いいっすね」
女性「そうやろー。でもなあ、こっちもかわいいねん」
そう言って女性は、2つめの小銭入れを見せました。

スリムタイプ・バイカラー束入れ君、コインポーチさんに出会う

今まで女性の手の中にすっぽり収まってよく見えなかったのですが、たしかに丸っこい、不思議な、可愛い感じのする物体がそこにはありました。

束入れくんも、自分とちょっと違うふんわりしたところに興味を持ちました。
束入れ君「かわいい……」
これは、恋なのでしょうか。

女性「ひやっ、あんた、気に入ってんな。えーやんかあ。せやけど、中がどうなってるんかちゃんと見てからにしいや。なんでも、中身はだいじやでぇ」

そう言って女性は、お化粧直しのコンパクトを開くような仕草で、パチンとその物体を開いて縦長に広げました。

そして、それをくるりと上下逆にすると、中にはいっている小銭が窓から見えるようになりました。

これは快適。小銭が色々入っていても必要な種類をすぐに見つけられます。

ががーん。
これは、恋なのでしょうか、なんて悠長なことを言っている場合ではありません。束入れ君は、とうとう自分に欠けていたものを見つけたのです。運命の出会いです。

束入れ君「す、すみません!そのコインポーチを僕に下さい!」

かくして、〈焦がれ色×紺藍・束入れ(スリムタイプ/バイカラー 29,000円/税別)〉君は
相方を見つけました。これで、カードもお札も小銭も、なんでも来いです。無敵です。

しかも、束入れ君の内側の色と、コインポーチさんの色はお揃いです。
えー、写真だと色が少し違うのですが、自然な仕上げなのでロットや革ごと、同じ革の中でも色の違いが出ることがあります。それも素材の面白みの一部として、楽しんでいただけたら幸いです。

鹿革コインポーチ、本日 Web サイトでも発売開始しました。

コインポーチは、本日 Web サイトで発売いたしました。奈良店、表参道店、銀座店でも販売しておりますので、実物もご覧いただけます。単色とバイカラーそれぞれ3種類ご用意。

芯を入れずに作っている上に、サイズもちいさいので女性でも洋服のポケットに入れてお使いいただけます。

価格は5,900円(税別)。男女問わず、ちょっとしたギフトとしてもおすすめいたします。

鞄工房山本 二見

筆者プロフィール

名前:二見

大阪府出身 京都大学卒業 ヨーロッパで靴の仕事を12年間経験したのち帰国
バッグメーカーなどを経て2018年8月より現職
好きな文筆家は森鴎外、Albert Camus
好きなミュージシャンは Jimi Hendrix、Cream