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ランドセル屋さんの革製品ブログ

山本イタリア探訪 ~機械の展示会、
Simac Tanning Tech 2019 in Milano~

2019年02月23日

ブックカバー

皆様こんにちは、鞄工房山本の晴之です。

なんだかとっても久しぶりな気がします。皆様お元気だったでしょうか。
というのも二見のブログでありましたが、私現在出張中でございます。場所はイタリア、ミラノ。「LINEAPELLE」という世界最大規模の革の展示会に来ています。「LINEAPELLE」は9月と2月の年に2回開催されているのですが、2月展では同時に「Simac Tanning Tech」という機械の展示会も行われているのです。

世界の革のトレンドを知るためにも、工房の設備投資のためにも、片道約15時間かけてやって来ました!
その様子を何回かに分けて現地からお伝えしたいと思います!

旅するブックカバー、登場

今回の出張からお供を連れて行くことにしました。それがこちら! 「旅するブックカバー」君です!

これからどこかに行く際は、彼(彼女?)と一緒に行動しようと思います。生成りのブックカバー君、これから色んなところに連れて行ってあげるからね。

上の写真は出発前の関空での1枚ですが、少し緊張しているようです。それがミラノに着いた瞬間にはしゃいでおりました。

朝11:00発のフライトでトランジット含め約15時間の旅でしたが、ミラノに着いたのは19:00頃。時差の恐ろしさを感じました。
そして我々は翌朝からいよいよ展示会場に赴きました。
なお、展示会場内ではブースや機械の写真を撮ることがあまりできなかったため、ほとんど文章での説明になることをお許しください。

機械の展示会、Simac Tanning Tech 2019

展示会場入り口の看板です。
会場はいくつかの区画に分かれており、その1画が前半の目的地「Simac Tanning Tech」です。皮革産業に関わる各社自慢の機械が、会社ごとのブースで展示されています。

「皮革産業に関わる」と言いましたが、展示されている機械は革製品をつくるためのものだけではないのです。
もちろんミシンなどの基本的なもの(と言っても何種類もの会社がそれぞれ何種類ものミシンを出しています)もありましたが、靴やベルトをつくるのに特化した機械や、鞣しのための「タイコ」と呼ばれる大きなドラムまで。会場内で原皮から製品まで仕上げられるだけの機械が揃っていました。

全体を見た印象としては、世界では「オートメーション化」がどんどん促進されているということ。
ブースによっては裁断した革を置くだけでコバ塗りから磨き、乾燥までを全自動で仕上げてくれる機械や、型入れから裁断までをも行う機械などが展示されていました。

そこで我々が考えるべきは「手づくり」と「機械製」のメリット、デメリット。
機械製のメリットはなんと言っても効率化です。初期の設備投資とスペースの確保さえ可能ならば生産にかかるコストはグッと抑えることができます。

が、しかし、人の手による繊細な作業が機械に可能なのか。科学が進歩しているとはいえ、そこが大きな課題です。
ハンドメイド並みの作業ができたとしても、人が持つ柔軟性を機械が持ち合わせることは困難でしょう。皮革は生きた素材です。作業の中で個々に対応しなければならない場面が必ず出てきます。細かい作業なら尚更。それが機械にどれだけ可能なのでしょうか。

日本ではオートメーション化があまり進んでいません。それは日本人の手仕事に対する実績とプライドが強く存在するからだと思います。かといって、世界に対抗するには機械も取り入れなければならないというのも事実で……
非常に難しい課題です。もちろんすぐに答えが出る話ではありませんが、それを考えるきっかけを得られただけでも大きな収穫かなと思いました。

写真ではわかりにくいですが、Simac の1スペース。実際はもっともっと広いです。

世界のO・MO・TE・NA・SHI

各会社ごとに趣向を凝らしたブースを設営されているのですが、中でも非常におもしろいブースがありました。
その門をくぐると辺りは暗く、そしてまるでプラネタリウムのように天井に星空が広がっているのです。
さらにブース内の半分以上は食事スペース。軽食やジュースを振る舞ってくれるブースはたくさんあるのですが、そこではガッツリピザやパスタを食べることができます(もちろん無料)。
一見ただのレストランなのですが、残り半分弱のスペースには大きな機械が2台展示されていました。

聞く話によると、その会社の社長発案だそうです。
機械を見てもらうことはもちろん大事なのですがそれよりも、わざわざ展示会に来てくれたお客様に対して、おもてなしの精神を持って楽しんでもらうことが大事、ということでしょうか。
料理はすべて社長の手づくりで、そこら辺の飲食スペースより断然美味しかったです。

イタリア出張前半では世界基準の機械とおもてなしを見ることができました!
次回はいよいよ本命、革の展示会の様子をレポートしたいと思います。

鞄工房山本 晴之

筆者プロフィール

名前:晴之

奈良県出身 同志社大学卒業
卒業後は高校教師を5年間勤める
2018年4月に鞄工房山本入社
趣味はウィンドサーフィン、スノーボード
好きな科目は数学