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ランドセル屋さんの革製品ブログ

『青い鳥』に教えてもらった、
鹿革ブックカバーを使うさらなる動機づけ。

2019年05月17日

ブックカバー

皆様こんにちは。
晴れても曇っても雨が降っても、香久山近辺の空は毎日きれいです。

(先日もこの場所の写真を掲載しましたが、その後レンゲが満開になりました)

というわけで11回目の〈ディア文庫〉、空色の鹿革ブックカバー(15,000円/税別)に本を合わせてみたいと思います。
(しつこいようですが鞄工房山本革製品ブログの企画〈ディア文庫〉では、18色の鹿革ブックカバーに色ごとに合わせた本をおすすめしています。新しいカタチのギフトの提案です)

と思ったら! 前もって空色に合わせて選んで読んでおいた本が、自宅で見つからない。ないないない、で15分後気づいたのが、
「これだけ例外で電子書籍で読んだんやんか」

年は取りたくない、と言う表現はこういう場合使うんですね。
すっとこどっこいの筆者をよそに、この名著はもちろん日本でも文庫本で発売されています。

モーリス・メーテルリンクの『青い鳥』

空色の鹿革ブックカバーに合わせたいのは、ベルギーの作家モーリス・メーテルリンク(Maurice Maeterlinck, 1862年8月29日 – 1949年5月6日)による『青い鳥』です。
日本では児童文学と思われていますが、戯曲として書かれました。調べても、とくに子ども向けだったとはどこにも書いていません。いつもお世話になっている Wikipedia 様によるとこの戯曲の1908年の初演はモスクワ。当時の演者の写真が

エキゾチックで素敵! ロシアって、ヨーロッパとアジアの両方の香りがして面白そうですよね。主人公たちの名前正しくは、Tyltyl と Mytyl なのでティルティルとミティル?噛みそうです。

魔女は

ファンキーやなあ。両耳にタンバリン装備? そして猫:

私は読んでいて猫が意地悪なオネエサンで犬がお人好しのオッチャンな気がしておりました(これは偏見)。このおじさん猫バージョンも説得力あります。ヘアメイクも全く違和感なし。

〈ディア文庫〉の企画とは別に、どうしてこの本を最近読んでいたかと言うと、小さい時にちゃんと読んでなかったことにふと気づいたからです。
不思議なことに『青い鳥』といえば(おそらく有名すぎて)
「ああ、あれ、チルチルミチルやろー」
「あの、探してるものが実は身近にあったっていう話やろー」
など、「はいはい知ってるで知ってるで」というやりとり以上の話を誰ともしたこともありません。
もしかして、意外と全部読んだひとが少ないのかも。

(音符?いいえ、燕です)

ということは「いい本は身近にあったのに気づいていなかった」ので、『青い鳥』のいわゆるオチと同じ?
なーんだ、あははっ。
いえいえ、そこで満足していてはいけません!

ここで「いわゆる」オチと書いたのは、この物語の重要な点はむしろその「探してるものが実は身近にあったこと」ではなく、そこに至るまでの旅なのです。
というところまで書いて、いつものようにあとの内容は申しません!

この戯曲の初演1911年は、日本では明治44年。1月には幸徳秋水らが大逆事件で死刑判決、その1週間後には刑も執行されます。ヨーロッパでは7月にドイツとフランスの間でアガディール事件、10月には清で辛亥革命が始まる。3年後に第一次世界大戦が勃発することになりますが、すでに各地で変化が激しく起きていた時期といえます。

物語の設定は、年代不問の木こりの一家の少年と少女ということなので、そのような流れは関係ありません。むしろ、そのような時期のヨーロッパで100年以上前に書かれた物語が、2019年に地球の反対側で読んでも美しさの連続であることを、ロマンティックに思いました。心の中のイメージは時間も場所も関係なく共通したところがある、ということか。

発色のよいブックカバーを使うメリット

突然現実に戻る。冒頭の話。私の場合は、カタチのある本を探していたけれど本当は電子書籍で読んでいたので、存在しないものを探していたというオチ。でも、バッグの中で、デスクの上で、ふつうに本を取り上げる時にありかがすぐわかるとちょっと嬉しくないですか。

えっ?なんですって?
バッグの中も、デスクの上もまずはもうちょっと整理しなさい?

すみません!

それはちょっとおいといて(汗)、これと、

これ。

どちらがいいですか?
いや、たまたま撮影で使用したバッグがベージュで小物もベージュなので、同系色でまとまっているのも全然悪くないですよ。でも、空色の鹿革ブックカバーを着せていると、本がこっちですよー、と言ってくれるだけでなく、本を大切にしている実感が生まれて、嬉しい。とくにお気に入りの本であれば尚の事。

というわけで、世界中の少年少女と元少年少女のお気に入り、メーテルリンクの『青い鳥』には空色の鹿革ブックカバーをおすすめいたします。

鞄工房山本 二見

筆者プロフィール

名前:二見

大阪府出身 京都大学卒業 ヨーロッパで靴の仕事を12年間経験したのち帰国
バッグメーカーなどを経て2018年8月より現職
好きな文筆家は森鴎外、Albert Camus
好きなミュージシャンは Jimi Hendrix、Cream